ミツイチョウ

かつて刺繍は生地の装飾として最も一般的な方法でした。
金属加工が盛んな土地では金属が、
羊と暮らす土地ではウールが、
養蚕が盛んな土地では絹が刺繍に使われます。
刺繍はその土地の文化を反映しつつ世界中に存在しているのです。

刺繍はとても手間がかかります。
大量生産、大量消費の現代社会とは相容れません。
気軽に洗えないのも、常にほころびのない清潔な衣服をまとう現代には合わないでしょう。
それでも無くならないのは、染や織とは違う魅力を感じるからこそ。
わたしの刺繍を通してその魅力が少し伝わると嬉しいです。

坂口綾菜
1986年生まれ
女子美術大学短期大学部で刺繍を専攻
在学中から野の花や動物をモチーフに制作を続けています

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